経営の見える化推進上の留意点
中小製造業における『経営の見える化』
とは、社内(生産・開発・設計・販売・本社部門)の業務プロセスにおける
課題・問題点(ロス・無駄)を従業員の方々及び経営者の方々に見えるような仕組みつくりを行い、
それらの課題・問題点を組織的に解決し、業務効率を上げることにより
コストを削減・経営体質を強化するための手法と言えます。
このページでは中小製造業における『経営の見える化』を
どの様におこなったらよいのかについて整理してみることに致します。
このページに関連する項目を以下に示して置きました。
これまでの検討内容を整理して見ましょう。
関連するページでの検討結果より、
- ・経営の見える化:
組織・部門に分類し、社内のどの様な部門とどの様な問題点について 『見える化』するのかを検討して、製造業で は製造部門が宝の山であり、利益を生み出すためには、製造部門の見える化から着手した方が良い。 - ・利益創出のメカニズム:
製造業で利益を生み出すためには、如何にコストを下げるかを真剣に 考える様な仕組みをつくり、部門の枠を超えて全社的かつ組織的なコストダウン活動が必要不可欠となる。 - ・利益創出の実現性:
利益を生み出すための施策は、その実現可能性と他社との差別化の可能性を考慮し、 優先順位を決めて実施することが大切である。
という事がわかりました。
以上の結論から中小製造業における『経 営の見える化』とは、
- ・目的(Why):トータル コストダウンを実施して利益を生む出し経営体質を強化する
- ・対象(What):
製造部門におけるトータルコストダウン(宝の山の発掘)をはじめとして、 企業活動に関連する部門のコストダウンを行う - ・誰が(Who):経営者が 中心となり、関係部門(関係者)全員で組織的に実施する
- ・どの様に(How):利益 を生む出す施策を見出し、優先順位をつけて実施する
ための『仕組みつくり』を行うことと言え ます。
そして、『経営の見える化』推進上の留意点として、
- ・問題点・課題を明確にして、誰にでも見えるように(理解できるように)すること
- ・情報の共有化を進め、関係部門(関係者)がその問題点・課題について理解していること
- ・関係部門(関係者)が課題解決のため検討策を組織的に検討する雰囲気を醸成すること
- ・打ち合わせや会議の時間を割くことが出来、その場で自由闊達な意見が言えること
- ・問題点・課題の解決に向けて数量的な目標・期日を定め、計画的に実施すること
などがあげられます。
言葉でいうと簡単ですが、実際に組織的なコストダウン活動を始める際に、 良く現場の管理・監督者から聞く言葉ですが、 「人手が足りない、日常業務で追われているのにそんなヒマは無い」とか「これまでの やり方の方が慣れていてやり易い、何で新しいやり方で仕事をしなければならないのか!」 等などコストダウン活動に対して批判的な言動が必ず出てきます。 このような状況を『見える化の壁』と呼びます。 経営者の方々の役割は、この様な『見える化の壁』を取り払う ことにあります。 経営者の方々の決断力により『見 える化の壁』を取り払い、組織的なトータルコストダウンを実施して、 会社を利益体質に変えることが大切です。
俵経営サルタント事務所では中小製造業に特化して、『経営の見 える化』を通して、お客様のトータルコストダウンによる経営体質強化の仕組みつくりをお手伝い致します。